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Treet Platinum

 Treetはパキスタン製の両刃カミソリの替え刃です。

 両刃カミソリの替え刃を製造している国は主に発展途上国が多く、旧ソビエトだった国や中東などが目立ちます。すぐに思いつく理由として、1.先進国では電動シェーバーが普及してクラシカルな両刃カミソリの需要が低いこと、2.先進国で製造するとコスト高を招き競争力で勝てないこと、3.生活文化が先進国より遅れていること、が挙がると思います。

 両刃カミソリは基本的に貧者の味方という道具ですが、これはPlatinumとか言いながらクオリティは低めです。初回から切れ味は鋭いのに剃り残しや剃り斑は多め。たぶん刃先の加工精度が悪いんだろうなと思います。痛いほど肌への当たりが厳しいのに、剃り上がりはゴワゴワして全然剃れてない……。刃先を尖らせたらそれでいいんだろ的な製造・加工をしてるんじゃなかろうかと思います。

 使用開始から2回目で既に別の替え刃を使いたくなりましたが実験なので我慢しながら4回目まで使いましたがもう限界。海外の通販サイトでホルダーを買ったところ気の良いオーナーがオマケでサンプルパックを1箱同封してくれたので試してみましたが、これ絶対売れ残りか何かの在庫処分だよね……。

価格(100枚単価)
6GBP
入手性
3
備考
回数
肌当たり
満足度
耐久性
鋭さ
滑らかさ
1回目
2
3
3
4
3
2回目
1
2
2
4
2
3回目
1
2
2
4
2
4回目
1
2
1
4
1
破棄

使用ホルダー:Merkur34C
尚、評価は5段階により最上位得点を5点とする。

価格………100枚購入時の金額
入手性……店頭、通販問わず日本での入手のし易さ。数値が高いほど簡易に入手できる
肌当たり……数値が高いほど剃り上がり時の肌の痛みがない
満足度……数値が高いほど満足度が高い
耐久性……数値が低いほど捨てたくなる。尚、剃り味とは別物
鋭さ………数値が高いほど少ない力でヒゲを切断できる
滑らかさ…数値が高いほど剃り残しが少ない

Lord Platinum

 StainlessとChromeを試したので次はいよいよPlatinumクラスです……と言いたいところですがクオリティ的にはStainlessとChromeの中間点のような扱いになっているようです。

 しかしこの替え刃固有の特性なのかホルダーとの相性なのか分かりませんが妙に当たりがアグレッシブです。Stainlessは当たりの感覚が乏しく、Chromeはヒリヒリするほど刃の当たりが痛かった。Platinumは当たり方ヒリヒリしないけど、刃の飛び出し具合が強く、うっかり肌をスライスすることが数回ありました。これをアグレッシブ寄りのホルダーで使うとかなり肌に負担がかかりそうです。

 偶然当たりの刃を引き当てたのかMerkurのホルダーと相性がいいのか分かりませんが今回のテスト回数は9回に及びました。おそらく我慢すればあと数回は使い続けれたと思います。これだけ使い倒せればコスパ的にも大満足じゃないでしょうか。海外のカミソリを取り扱うオンラインショップでは大抵ラインナップしている製品なので入手しやすく値段もお手頃です。

回数
価格(100枚単価)
入手性
耐久性
鋭さ
滑らかさ
1回目
9GBP
3
4
4
4
2回目
4
4
5
3回目
4
4
4
4回目
3
3
3
5回目
2
2
3
6回目
2
2
3
7回目
2
2
3
8回目
2
2
3
9回目
1
2
2
10回目
破棄

使用ホルダー:Merkur34C
尚、評価は5段階により最上位得点を5点とする。

価格………100枚購入時の金額
入手性……店頭、通販問わず日本での入手のし易さ
耐久性……数値が低いほど捨てたくなる。尚、剃り味とは別物
鋭さ………少ない力でヒゲを切断する能力
滑らかさ…剃り残しの多寡

Lord Super Stainless

 Lord Super Stainlessは廉価でありながらLordクオリティにより最低限カミソリとして必要なパフォーマンスを兼ね備えています。しかし所詮はステンレス価格レベルの製品なのでステンレス同種の他社替え刃と比較して秀でたものがあるかと言われると凡庸です。

 初回は他の刃と遜色ない切れ味と剃り上げ能力があります。そして2回目までは平均的な髭の切断能力が保たれていますが3回目から急激に刃の鋭さが失われ、剃り残しが気になるようになりました。私は4回目からは剃り残しのためにピンポイントで4~5パス目を入れています。実際のところパス数を増やせばある程度刃先の鋭さが失われても手数で誤魔化せるのですが、この比較テストの場合、同パス数で使用し続けた場合の耐久性というのも評価基準なので、パス数を増やす必要が生じた=評価点の低下ということになっています。
 限界への挑戦ということで今回は5回目までは我慢して使い続けたが現実的に常用するとすれば3回ないし4回が限度だろう。

回数
価格(100枚単価)
入手性
耐久性
鋭さ
滑らかさ
1回目
6GBP
3
4
4
4
2回目
4
4
3
3回目
3
3
3
4回目
2
3
3
5回目
1
2
1
6回目
破棄

使用ホルダー:Merkur34C
尚、評価は5段階により最上位得点を5点とする。

価格………100枚購入時の金額
入手性……店頭、通販問わず日本での入手のし易さ
耐久性……数値が低いほど捨てたくなる。尚、剃り味とは別物
鋭さ………少ない力でヒゲを切断する能力
滑らかさ…剃り残しの多寡

ASCO Stainless

 Lord社のStainlessカミソリの一つ。特徴は封入が5枚(大抵は10枚入り)で、お値段は他のStainlessカミソリ刃と同額ということ。要するにLord Super Stainlessのハーフ版じゃないかと思うかもしれない。
 そうだと思う。でもちょっと待って欲しい。ASCO Super Stainlessはなんと剃り味も半分になるんだ!
さすがエジプト人。古代から数学が発達した国だけあって完璧な計算式だね。

ってなんでやねん!

 エジプト人って芸が細かいんだなとちょっと感心しちゃったじゃないか。値段は同じなのに同封枚数が半分で性能も半分って一体どういうつもりなんだろうか。ひょっとしたら体を張ったギャグなんだろうか。しかし実際問題、製造ラインの違いで同社ステンレスクラスのLord Super Stainlessと比較して月とスッポンほどのスペックの差があるのだ。

 もしかしたら使用ホルダーであるMerkur34Cと相性の悪い替え刃なのかもしれない。しかしLord社の他の製品と比較して初回から髭を切断する時の抵抗が強く、剃り残しも多い上に妙にアルムが沁みるとなればちょっとホルダーとの相性が悪いというレベルではない。明らかに刃のパフォーマンスが低いと言える。これで値段が半分なら渋々納得するところなのだがお値段は強気らしい。意味が分からない。

 二回目からは刃の当て方を工夫して試行錯誤したところ、剃り残しが大幅に改善された。この刃とホルダーの組み合わせは肌に対して相当エッジを立てないと剃れないようだ。それで剃り残しは改善されたのだが相変わらず刃が切れない。小手先の工夫で剃り味はどうにか出来ても、根本的な部分でナマクラなのはどうしようもない。一回目、二回目ともにアルムがよく沁みるのがつらい。三回目になるともう髭を刃で切っているのか鋸で引いているのか分からないほど手ごたえ十分。

 結局この替え刃に関しては二回目以降は回を追う毎にアルムブロックが沁みるようになるので四回目まで使用して破棄した。さて、ここでこの替え刃についてふと考えた。そもそもLord社は他にもよく切れて長持ちするステンレス製カミソリを製造しているのに、なぜこのような切れない粗悪な替え刃を製造し続けるのか。先に挙げたLord Super Stainlessとの差は、計算上封入量半分で同価格なので普通の人はこんなに剃り味の悪い粗悪品を二者択一で選んで買うようなことはないはずだ。つまりこのASCOを買う人というのはLord Super Stainlessの10枚入りパックを買うほどの金銭的余裕がないのに、髭を剃る為にカミソリを必要とする人たちのことであると思われる。
つまり発展途上国の貧困層。それもスラムの最底辺に近い辺りなのではないだろうか。世の中には多くの金属ホルダーを集めたり、10年かかっても使い切れない量のシェービング・ソープを買い集めたりする人がいる一方で、一回目以降剃れば剃るほど痛くなるこの替え刃を10回あるいは20回と使い続ける生活をしている人がいる。それがこの替え刃が暗に示している現実なのではなかろうか。

 Lord社も営利企業なので採算の取れない事業は続けない。であるにも関わらずASCOのような粗悪な替え刃が製造中止にならず市場に出回り続けるということは、未だ世界には厳しい経済格差があるのだということをまざまざと映し続けている。いつかLord社がASCOのような粗悪な替え刃を生産終了したときこそ、きっと世界は良くなったと言えるのだろう。

 なんか妙に説教臭いレビューになったな。

回数
価格(100枚単価)
入手性
耐久性
鋭さ
滑らかさ
1回目
6GBP
3
3
3
3
2回目
3
3
3
3回目
2
2
2
4回目
1
2
1
5回目
破棄

使用ホルダー:Merkur34C
尚、評価は5段階により最上位得点を5点とする。

価格………100枚購入時の金額
入手性……店頭、通販問わず日本での入手のし易さ
耐久性……数値が低いほど捨てたくなる。尚、剃り味とは別物
鋭さ………少ない力でヒゲを切断する能力
滑らかさ…剃り残しの多寡

Lord Super Chrome

 エジプト製カミソリです。
 Lordという会社は非常に多くの替え刃を生産している会社で、Lordの他にBIGBEN、ASCO、Shark、Racer、Silver Star、Crown、Rainbowというパッケージの両刃カミソリの替え刃はLord社が製造している製品です。基本的に同じ工場でライン違いというものなんだけど、例えばLordというパッケージの中でも更にSuper Stainless、Super Chrome、Plutinumのようにコーティングによってグレード分別がされています。しかもSharkにもStainless版とChrome版があるので、元は一つの会社なのに無駄に生産ラインを広げすぎとしか思えません。正直に言ってなぜ自社製品同士で競合共食いするような販売をしているのか理解できませんが、値段の割りに品質が安定しているのがこの会社の特徴です。

 クロームメッキ処理した刃は未処理のステンレス刃と比較して耐久性が高いと思われますが、具体的に差が数値化できないのであくまで私の感覚として述べますが、正直なところ大差ありません。ほんの僅かにクローム加工されたもののほうがしっかり剃れてるかなと思いますが、刃先の加工精度の高いものを求めるなら素直にジレットかフェザー買えば使用回数も5回は手堅く使い続けることができるので総合的に優れている思います。コスパを求めるならChromeより一回り安いSuper Stainlessを割り切って短い回数で使い捨てしてくほうが良いでしょう。

 下記の通りポイントをつけていっていますが、製品の個体差と体調、髭の伸び具合によって一回目より二回目のほうが数値が高いこともあります。製品によっては初回よりも二回目のほうが当たりが柔らかく剃り残しも減ったように感じることもあります。刃先は劣化していくものなので初回より二回目のほうが悪いに決まってるんですが、なぜかそう感じることが稀にあります。今回テストに使ったLord Super Chromeは3回目から刃先が劣化したと思われ、ヒリヒリ感がきつくなりました。肌はヒリヒリするが剃り上がりの滑らかさは5回使ってもステンレス製より上をキープし続けていました。痛みを感じないうちに交換するとなると結局ステンレスと同じ程度の回数で次の替え刃に切り替えていかなければいけないのであんまりお得感はないかもしれません。

回数
価格(100枚単価)
入手性
耐久性
鋭さ
滑らかさ
1回目
10GBP
3
4
5
4
2回目
3
3
4
3回目
3
3
3
4回目
3
2
3
5回目
2
2
3
6回目
破棄

尚、評価は5段階により最上位得点を5点とする。

価格………100枚購入時の金額
入手性……店頭、通販問わず日本での入手のし易さ
耐久性……数値が低いほど捨てたくなる。尚、剃り味とは別物
鋭さ………少ない力でヒゲを切断する能力
滑らかさ…剃り残しの多寡