前作があんまりにもアレだったため期待値低めで始めたけど予想外にクオリティアップしていて驚いた。と言っても前作が具のないカレーとするならニンジンとジャガイモが入ったレベルであり相変わらず肉は見当たらない。
まず前作と比べてちゃんとブラウン以外に役割が与えられたのは良かった。今回は特に赤の火力が高くブラウンで護衛しながらレッドの火力集中で敵を融かすのが強く散兵やゾンビ程度ならこれで十分対応できる。ただし歩兵がファランクスを組んで防御陣形取られるとレッドの攻撃は全部弾かれるので途端に無力になってしまうのもバランスが良かった。結局レッドの遠距離攻撃だけでは攻略できず、他の色をどういう比率で連れ歩くか各マップ毎にちゃんと考えないといけない部分は良いゲームになっていた。
また今回は帝王がミニオンに憑依してミニオン視点で敵基地へ潜入してパズルを解いて荷物を運び出したり封鎖された道路に破壊工作をしたりするギミックがあって、ミニオンを直接操作して何かをするだけだった前作と比較するとゲーム演出に多様性が出ているように思える。おかげで中盤までは手を変え品を変え色々なものを見せられて面白かった。
ただし船を操作して敵船と海戦したりラムアタック仕掛けるのは操作性にかなり難があり、カタパルトで前進してくる敵歩兵集団や攻城兵器を迎撃する場面ではどれくらいの飛距離が出るのか指標が全然分からなくて、カタパルトのチャージ量と飛距離の相関性を割り出すのに何度も試行錯誤をさせられたのは、今の時代のゲームだと許されないだろうなと思う部分であった。
2000年代のゲームだから仕方ないよねと割り切らないと駄目な部分が強くて、めちゃくちゃ楽しいわけじゃないけどギミック解法を攻略するのは楽しめたし、値段も数百円のゲームなんだから価格通りだから仕方ないかなと思うようなゲームであった。
次作は出ていないのでやはり売れ行きも芳しくなかったのだろう。狙いは悪くないんだけどこれならピクミンで十分な気がするし、根本的な操作性を改善しない限りこれ以上面白くなりようがない上に操作性を変えるとなるとゲーム性を変えることに繋がりかねないので発展性はなさそう。
ピクミンも可愛いという話題先行でありゲーム性に対しての強い支持はないようだから、立体パズルするならゼルダやれっていうことなんだろうな。