10周年記念企画 vol.1

 今年でウェブサイトを作ってからちょうど10年になる。
 10年前、当初は「何となく友人がやっているから」という理由で釣られてGooの簡易ホームページ作成ソフトを利用して初めて作ったのがキッカケで、まさか10年続くとは思わなかった。そんなわけで、このサイトが出来た経緯でも語ろうかと思う。
 まさに時代はADSL、インターネット定額制が普及し始めた頃(だったはず)。インターネットに詳しい友人がホームページ作ったから見てよ、という誘いを受けてホームページ作りに興味を持ったのが全ての始まりだったように思える。彼のホームページを見て自分でも作ろうと思い、彼と同じようにGooでフリーのホームページサービスに申し込んだ。当時、FTPはおろかHTMLの使い方・書き方さえ知らなかった自分にとって、彼の真似をしてまずGooのホームページ生成CGIを使うのがやっと、という技術レベルだった。
 Gooの当時のホームページサービスは、素人向けにボタンを選択するだけで壁紙やリンク、CGIの表示を変更するような本当に素人向けの代物で、イマイチこのホームページというものの仕組みが理解できてなかった自分にとって非常に分かりやすいサービスだったと思う。このおかげでホームページ作りにそれほど悪い印象を受けず、「なんだ。ホームページ作るのって簡単じゃないか」とかなりポジティブなイメージを植えつけてもらえた。
 しばらくGooのホームページ生成CGIであれこれ遊んだ後、やはり簡易CGIじゃ作るモノに限界があると感じ、今度はHTMLというものに興味を持った。あの時の私はHTMLでホームページを作るというのは自由度が高いものの、必要な知識が結構要求されると思っており、またサーバーというものもよく分かっておらず、少し調べて作り始めてから初めて苦労を知った。
 当時はInfoseek等がメジャーなレンタルのウェブスペースであって、また他には自分の契約しているプロバイダが支給するウェブスペースというものが使えるということを知った。まだhatenaやBlog型サービスが生まれる前である。とにかく苦労した、ただこれしか覚えていない。とにかくGoogleでHTMLの使い方やFTPの使い方を書いたページを何十回も見て、仕組みは理解できないが方法だけは覚えた。1+1=2とありなぜ2になるのかは分からないがとにかく1+1は2になるという結論部分だけを抜き出した覚え方だった。そんな覚え方だったから「とほほのWWW入門」などには何度となく足を運んで、並んでいるHTMLのタグを一つ一つ見ながらHTMLエディターを動かしていたと思う。
 それから数年、HTMLで記述したシンプルな、本当に何も書いてないページに日記を記したCGIのリンクとCGI掲示板のリンクだけを貼り付けて運用していた。他にもゲームの内容に関して、別のウェブスペースへ申し込んだアドレスでまとめたページを作っていた(こちらはすぐに飽きて閉鎖した)。
 ただCGIに日記を書いて、たまに来るBBSのポストに返信をして、それで満足していた頃、偶然Movable Typeの存在を知ることになる。当時Movable Typeはまだ試験運用段階で、日本でのMovable Typeの第一人者であるMilano氏が翻訳し、日本語版が知られるようになる頃だった。その頃のMovable Typeにはスパムや、トラックバックスパムというものは存在せず、その目新しい「記事に対してダイレクトにレスを送れる」「トラックバックによって自動リンクが可能」という面白いCGIということで注目を浴びていたが、FTPに直接プログラムをアップロードしなくてはならない、スタイルシート等のこれまでホームページ作りで一般に使われていたHTMLとは違う、素人にはちょっと小難しいモノという印象があった。
 実際、あの時まともなMovable Typeの解説サイトはMilano氏のとこくらいにしかなく、それもCGIのインストールの仕方についての流れをSS付きで説明しているだけで、細かいトラブルのQ&Aというものはほとんど無かった。だいぶホームページやサーバーというものが分かってきたと自負していた私は、軽い気持ちでMovable Typeを利用し始めてずいぶん痛い目にあった。まずCGIがまともに動くようになるまで一週間を要したと思う。それから内部のシステムを理解するのに一週間、デザインを変更したり、スタイルシートというものを初めて見て数日。
 それから数年、テスト版のMovable Typeでホームページを運用してきた。その頃になるとレンタルサーバーではなく、インターネットで知り合った友人のサーバーを間借りしていたが、ある日その彼のサーバーマシンがクラッキングされ、ホームページデータが全て白紙になってしまった。バックアップまで全て消されていたらしく、復旧は困難だった。またちょうど同時期に彼が外国に赴任するためサーバーが使えなくなる旨が伝えられ、私はいつまでも人に頼るのは悪いと思い、自分でサーバーとドメインを取得した。
 このサーバーはSakuraのレンタルで、ドメインもそこで登録をした。都合良いことにhermit.jpというドメインは以前の使用者が料金を滞納し続けており、Sakura Serverの担当者に連絡したところこちらで使わせてもらえることになり、ドメインとサーバーの申請は滞りなく行えた。こういう経緯があって、このホームページの過去ログは2005年11月からの分しか残っていないわけである。
 当時から日記とBBSくらいしか置いてなく、訪れる人もほとんどいないネットの端っこにある零細サイトなのは今も変わらず続いている。魚拓というものもなかった時代なので10年前の頃の私のホームページを知る人は少ない。昔も今と変わらず文章だけの日記を続けていたが、昔の自分の日記を今の自分が見ると赤面したくなるだろう内容なのは間違いないので、できれば黒歴史として永久に封印したいもんだ。10年書き続けて文体もだいぶ変わった。きちんと段落分けや内容をまとめることが出来るようになったし、文章を書くおかげでいくらか語彙も増えた。たまにはっちゃけるが、ある程度落ち着いた文章を書くように心掛けだした。何より得たものは、文章を書くというのがわりと性に合ってるというのを知ったことだと思う。放っておくと延々と無駄話を書き続けるので、自分でも制御し難いほどに、書き癖というものが付いてしまった。その結果、ここまで読んでご覧の通りの文章量です。文字数カウンタでこの文章をカウントしてみると2800字もありました。どこの小論文ですか、これは。
 次は10年のゲーム歴でも語ろうかと思っているけれど、ここでこれだけ書いた事を鑑みると、10年分ゲーム歴について語るとこれの二倍は下らない量になると予想されるので、どうしたものかと悩む。

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