RMTの未来と市場

 この問題に関してはかなり賛否両論があると思います。初めに断っておきますが、これは私個人の主観に基づく文章であり、一般論とは離れている部分もありますが、できるだけ客観的に社会的な資本主義経済的なサイドから見ていきたいと思いますができるかどうか危ういです。
 日本ではあまりニュースとして各ウェブ上では話題にもなっていませんが、IGE(Internet Gaming Entertainment)という有名なRMT(Real Money Trade)取引代行会社が各大規模MMORPGスポイラーサイトを買収しました(ソース)。具体的なサイト名を上げれば、Allahkazam, Ogaming, Thottbot.com, L2Orphusです。AllahkazamとOgamingはEQ,EQ2などSOE有名ゲームを始めとする様々なMMORPGでクエストやMobなどのスポイラー(ネタバレ)情報を掲載する超巨大データベースサイトです。ThottobotはFires of Heaven(訂正:正しくはALのプレイヤーが作ったのでした)のプレイヤーが作り出したデータベースを元にもっとも運用されているWorld of Warcraftのクエスト、アイテムデータベースサイトで、L2Orphusは同様のLinaege IIのデータベースとなっています。
 これまでこれらの各スポイラーサイトの使用はフリーであり、自由に閲覧することが可能でした。EQなどのプレイヤーは主にこのスポイラーを見ながらクエストを進めていく人が多かったのではないでしょうか。それが買収されたのです。つまり簡潔に言えば、IGEの方針次第で有料アカウント制の商売サイトにすることも可能になるわけです。当然世界のプレイヤーから猛反発を食らうし、別のフリーデータベースサイトができてそっちに客が流れていくという事象が起こるリスクが高いので、そのような判断は下さないと思われますが…。
 が、これらの各スポイラーサイトを軒並み押さえてしまって何ができるか、と言うとRMTの増産です。旨みのある場所、クエストをスポイラーサイトで公開せず自社で独占。得たバーチャル商品をRMT市場に流して利益を得るという行為が可能になります。さらにこの場合、他に競合するスポイラーサイトを押さえているので、情報の流出する可能性が低く一般に情報が露見されてしまう前に十分な利益を得ることができるようになるのです。
 IGEのやっていることは悪でしょうか。いや、単純に人間の社会を白と黒で色づけしようとすることすら間違いかもしれませんが、一般的な論理で言えば悪と判断するのが妥当です、特にプレイヤーからすれば。が、資本社会の一会社として利益を出すための措置だとすればこれは当然白です。自分が頑張った功績としてアイテムなりLv上昇の達成感を得ることが確かにゲームの魅力ではありますが、これを現実の貨幣と交換で時間をかけず得ることは所謂ズルだと思われるのが大半です。しかし人間というものは常に自分に甘く、ワガママな生き物です。
———————
RMT利用者の主張:
“俺は働き詰めで時間がないんだ。俺の金で何を買おうと別に勝手だろ”
非RMT利用者の主張:
“俺は無い時間を割いてようやく手に入れたのをお前は金で買ったのか!ズルい!”
—————————-
 正直どっちでもいいです。こんなバカみたいな論争。
どちらもどちらを僻んでいるだけに見えて、人間が小さく見えます。世の中には常に需要と供給があって、現代は人が仕事に追われて時間のない社会。故にRMTという商売が成立しているだけに過ぎません。これが江戸時代だと夜中に酒を飲むこと以外何もすることがない大人たちが毎日大半の時間を費やせるのでRMTなんて商売は全く儲からないでしょう。それだけのことです。
 話をIGEに戻しますが、では規約でRMT禁止されているゲームであるにも関わらずRMT仲介業務を営んでいるIGEは法的には違法ではないのかという話になります。この件に関しては裁判大好き国であるUSと香港で裁判が続いているそうですが、決着は難しいかもしれません。何せ問われているのは仲介業務そのものであり、各債権者、債務者にはなんら落ち度がないんですから。と言えば厳密に言えば違いますが、現に商品を引き渡す個人と対価を支払う個人の間で問題がなければ、民事的には問題ないはずなんですよね。あるとすればディベロッパとIGE間における規約違反を要件にした訴訟しかないんですから。第三者へのアカウント譲渡禁止という問題ですが、企業側としては継続してお金を支払ってくれるならとりたてて問題にもならない気がします。ディベロッパはRMTをされても評判さえ落ちず、商品が売れ続ければなんら支障はないので裁判費用を払ってまで腰を上げる必要性も無く。論点にするとすればRMT行為によって被った損害賠償が妥当な筋でしょう。RMT反対派の人がIGEを相手取って訴訟を起こしても要件がないんですよね。基本的に具体的な個人の損害を言及できませんから損害賠償さえ持ち出せず。これが自国内のみの問題であれば法規制を引いて問題解決となるわけですが、インターネットを介する世界規模の商売ということでこの場合は国際取引法に準ずる規制が必要になります、これは一国の事情で変更するわけにもいかない大変な問題ですので法規制での方向で手を打つことも難しくなります。法規制を引くにしても一般的に見れば”なんだ、国際取引が活発になるならいいことじゃないか”と平手打ちをされます。
 つまりどういう結論なんだと言えば、人類がMMORPGか経済活動をやめるまで、もしくはインターネットを世界規模で封印しない限り、人類についてまわる本質的な問題になります。もしこの問題が解決されたなら、性善説の立証が可能になるでしょうlol

「RMTの未来と市場」への2件のフィードバック

  1. 俺は頭がアレなんでしょうもないことしか書けませんが、以前RMTの対象にされているMMOGの開発者が
    「ひとんちの庭で勝手に商売すんなっってことです」
    っていう一言がいまだに忘れられないのです

  2. ところで今朝落雷で一時、家の電源が落ちて明かりも冷蔵庫もPCも3秒ほど止まりました。
    僕の編集中だった動画もPCと一緒に真っ暗になりました。
    未保存状態でした。
    僕のお先も真っ暗になりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です