Lara Croft and the Guardian of Light

 2010年遊んだゲームの中で一番面白かったかもしれない。個人的にベストゲームだった。

 ストーリーは単純。ジャングル奥地の遺跡を探索していたララが発見したお宝の鏡を、美味しいところで悪漢共が横取りするところからオープニングが始まると、悪党の親玉が鏡を手にした途端、鏡から封印されていた悪の化身が復活。悪党共は皆殺しにされてしまう。ララもあわやという所で、突然現れたトテックというマッチョな原住民に助けられる。彼の説明によると、あの悪の化身の名前はショロトルと呼ばれ、トテック自身は彼を封印するためのキーとして石像と化してこの遺跡を守っていた。自由になってしまったショロトルを再び封印するため、ララとトテックは協力して奴を封印するために追いかけることになったのだ……というのが大体のあらすじのはず。あとで下記の公式物語を読むと微妙に勘違いしていたようだが、これくらいは多少の誤差だろう。気にしない、気にしない。で、ストーリーも演出も結構面白いんだけど、英語が分からなくても映画のインディージョーンズの雰囲気を思い出せば一人で盛り上がれる、そんなゲームだ。ショロトルとはアステカ神話の金星の神。または炎と不幸の神。Wikipediaを読む限りではとても悪役とは思えないヘタレ神様なんだけど、多分それは間違ってない。

 以下スクエニによる正しいストーリー

 
 アステカ神話によると我々がユカタンと呼ぶ地域は、光の守護神トテックとその信奉者たちが、暗黒神ショロトル率いる恐怖の軍団と壮絶な戦いを繰り広げた古代の戦場であるという。

 煙界の鏡と呼ばれるアーティファクトの力を借り、ショロトルは地獄の底から恐るべき怪物の軍団を呼び起こした。トテックの戦士たちはその戦いで失われたが、トテックは生き残り、鏡を逆に利用する方法を見つけたのである。暗黒神は鏡の中へと閉じ込められ、トテックの子孫によって強力な帝国が築かれた。ここに征服者が訪れるまで、その帝国は存続することになる。

 煙界の鏡がその後どうなったのかは、はっきりしない。どこかに隠されたと記したものもあれば、永遠に失われたとするものもある。だがララの経験から言えば、永遠に見つからないものなどない。中央アメリカのジャングルを歩きまわり、ララはついに鏡を発見したのである。

 しかし、ララの後をつけてきたこの地域の司令官ヴァスコによって鏡は奪われ、暗黒神ショロトルが復活したのであった。

 だが、鏡に封じられていたのは、ショロトルだけではなかった。光の守護神トテックも蘇ったのである。ショロトルの野望を阻止するため、ララとトテック、2人の旅が今、始まる。

 最大の面白さはアクションと謎解きなので、初回プレイはネタバレを見ないでやるのが望ましい。アクションはキーボードでプレイすると結構難しいので、ゲームパッドを使ったほうが上手くいきやすい人もいると思われる。一応キーボードとマウスのみで何とかクリアまでいけたので、時間さえ掛けて独特のクセを克服できれば十分やれる。WASD移動、Diablo型クオータービュー、左クリックで銃撃、右クリックで緊急回避、他色々と冷静に書き出してみると結構ややこしい操作大系をしていると改めて感じる。とりあえずクオータービューとWASD移動は致命的に噛み合わせが悪いから、ここを克服できるかどうかだと思う。謎解きに関してはそれほど難しいわけじゃなく、大体は見れば解法のヒントや取っ掛かりは分かる仕様になっているし、よほど分からない場所でも、自分が使えるアクションを一つ一つ考えてみると答えはすぐに出せるレベルなので、かなりサクサク進める。本編は全14チャプターから構成されており、最終チャプターを除く各チャプターの最後に大掛かりな仕掛けやボス戦が待ち構えている。内容は比較的広大なフィールドゾーンをうろついてキーアイテムを揃えて遺跡内部に侵入せよというパートから、屋内でのアクションを用いた探索と謎解き、巨大ボスからの全力逃走などバランス良くアトラクションが集められていて、プレイヤーを飽きさせないよう難易度とテンポにはかなり気を配って作った感が伝わってくる。

 基本的に死んで覚えるゲームなので、死亡時にはオートセーブとは別に死亡直前の部分からすぐにやり直せるようになっている。便利な反面、仕様の限界なのかバグなのか分からないが敵キャラに殺された場合、直前リスタートで敵が既に掃討されてしまっていることが稀に起こる。どうも進行具合によって機械的にオートセーブが掛かっているらしく、ある程度進んだ段階で倒した分の敵に関しては存在を抹消されるようだ。中盤からは何度も復活を繰り返すスケルトンなどが登場して面倒くさいのでこの仕様はありがたいと思ったが、これはいいのだろうかという葛藤も生じる。執拗に追ってくる上に何度もボムで木っ端微塵に吹き飛ばさないと完全に死なないのだ。手っ取り早いのはボムで落下させることだけれど都合良く落とせる場所ばかりとは限らないので、相手にせざる得ない場面も多々ある。

 ララはショロトルを追跡する途中で色々な武器を拾う。初期装備はトレードマークの二挺拳銃とトテックから受け取った黄金の槍。黄金の槍は武器以外にも壁に突き刺して足場に利用できる。槍は無限に投擲でき、一度に具現されるのは3本まで。この3本を利用して取り付く島もない壁を渡る場面も存在する。初期の二挺拳銃は威力こそ低いものの、弾数無限なのでオブジェクト破壊や他の武器の弾薬が尽きたときに重宝する。後半は弾薬の消費が激しい武器が多く出てくるので弾薬の節約という意味でも使用頻度は高い。銃を利用した謎解きはかなり多いので、黄金の槍と合わせてこの二つの武器は最後まで使い続けることになる。その他に弾薬ゲージの限り使える武器として、アサルトライフルやサブマシンガン、グレネードランチャーにロケットバズーカ、スナイパーライフルに火炎放射器などがある。私は弾薬消費率が低めで且つ威力もそこそこある強化型二挺拳銃を最後まで利用していた。武器スロットは計4つなので選択肢は多いが同時に使える武器は多くて3つだろう。また、入手したアーティファクトやトレジャーと呼ばれるアイテムを装備することで、攻撃力、防御力、スピード、ボム威力などを上げ下げできる。当然後半に手に入るアイテムほどマイナスのデメリットが少なく複数同時パラメータ上昇が出来るようになる。これらの武器、アイテム類は探索の最中にあるボーナスエリアの謎解きをして手に入るものが多いが、グレネードランチャーやロケットなどはステージの進行上用意されるため普通に進めていると半ば強制的に使うことになる。他に敵を倒したときに得られる得点からトータルスコアを計算して一定スコア以上で入手できるようになるものや、各ステージで示される目標達成報酬として得られるものがある。

 ところで本編は、ひたすらショロトルの後を追っていくことになる。各ステージでショロトルが二、三言どうでもいい煽り台詞を言ったあと去っていき扉が閉まる。それを開けるためにララ(協力プレイならトテック含む)は謎解きをしてギミックを作動させ先に進めるようにするという繰り返し。毎回似たようなパターンで、後半になってくるとまたかよ…と溜息を吐きたくなるような三文芝居を見せられ続ける。どうもこのショロトル、冒頭で述べた通りの設定を踏襲しているらしい。後半は彼らしい炎渦巻く溶岩ステージなのは結構なんだが、とにかく何だかんだ御託を並べながら逃げ続ける姿は逸話通りヘタレなんだなと実感させてくれる。最後の最後まで自分で戦うことはほとんど無く、基本的に手下を召喚するorトラップなどを発動させることに終始する。そりゃ神様が本気で戦ったら人間なんてイチコロなんだろうけど、最後までフハハハハと高笑いしながら手下呼んでるだけなのはどうなのよと思わなくもない。

 最後に何よりこのゲームを評価したいのはこれで$14.99ということ。PS3のコンシューマ版でも1500円、Steamセールだと英語版$5.1になる。ワンコインでこのクオリティ、このボリュームは素晴らしい。スコアアタックやタイムアタック、武器やアイテムの開放、人気はないがCOOPとダウンロードコンテンツがあることを考慮するとSteamのセール時には費用対効果が恐ろしく高いゲームになる。もちろんメインの謎解きは一度クリアしたら二度目からは作業になるということを差し引くとしても、私の場合、初回クリアまでに要したのは約7時間。一般的なFPSのストーリーモードが18時間前後ということを考えると若干ボリューム不足感は否めないが、気分転換やガチガチのFPSばかりやった後にやるとサックリしていてこれはこれで楽しい。FPSばかりやっていると頭がグラグラしてくるし、RTSばかりやってると勝ち負けにイライラしてしまう。MMOGばかりだとプレイにメリハリがつかなくなる。バランス良く、がゲームを長く遊ぶコツなのかもしれない。

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