Dungeons3

今年消化したゲームその11

 ダンジョンマネジメント系ゲームと言えば「勇者のくせになまいきだ」とか「巣作りドラゴン(R18)」等がパッと思いつくが、これも同じようなものだろうと思って買ってみた。レビュー欄で不吉な批評がされていることに多少の不安はあったが、セールで1000円だったし軽い気持ちで触ってみたところこれが何とも言えない後味が残るゲームだった。

 システムはゴテゴテしているもののバランスに関してはシンプルな構造になっている。要するに地上侵攻と地下拡張を同時並行で進めていかないといけないというものなんだけどこれが微妙に食い合わせが悪い。多分このDungeonsというゲームタイトルに惹かれてこのゲームを買う人は、自分もそうだが、地下に複雑な迷宮を作ってそこで侵入者をあの手この手で罠に嵌めて倒したいタワーディフェンス的なものを求めているはずだ。ところが地下の拡張のためには地上でしか採掘不能なリソースの消費が欠かせず、そのために地上侵攻用モンスターをアンロックして育てなければならない。地上部分の操作はRTSの形式に則っている。つまり結構マイクロマネジメントが必要になる。一方地下においては個々の戦闘ユニットを直接操作して移動・攻撃の指示を出すことは不可能になっていて、ダンジョンの拡幅工事、施設建設を担うワーカーを個々に指示し操作することも難しい仕様になっている。地上ではミクロ思考になるが、地下ではマクロ思考で戦略プランを頭の中で組み立てていくことを求められるのがとてもややこしい。

 そういうわけでこの両者をバランスよく取ることを諦めたここの開発元はRTS部分の敵をめちゃくちゃ弱くすることでバランスを取ることにした様子だった。え?そういう風にしちゃうの?っていう疑問や困惑が最終ステージクリアまで続いた。まぁ対戦型ゲームじゃないんでAIがいくら弱くても困る人はいないというか、むしろ弱くしないとカジュアルプレイヤーにはきつすぎるゲームシステムだから仕方ないかなぁと思うんだけど、それなら最初から地上と地下というように分割しないほうがいいと思うんだよね。

 結局ダンジョンマネジメントをしたくてこのゲームを購入した人には不評を買って、シミュレーションゲームがやりたい人はRTSなのかタワーディフェンスなのか半端に混じり合って良く分からないゲームをさせられ、これは結局誰も完全に満足できないだろうという感想を抱かざるを得なかった。一応これでシリーズ3作目ということなのでそれなりにファンやリピーターがいるのだろう。つまりこれはDungeonsという一つのカテゴリーとして見るべきなんだろうな。メインキャンペーン全ステージクリアまで約30時間超かかったけど、自分が何味の食事を食べているのか感想に困る料理だった。でも一応バグは見当たらないし日本語化も丁寧に加工されていて、この出来で1000円で30時間遊べたのなら最低限のボーダーラインは超えたので良しとした。

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